露地再現プロジェクト
戦前、相楽園の敷地南西角に存在した茶室・又新(ゆうしん)は、残念ながら戦災で焼失しました。現在は四阿(あずまや)があり、静かに休憩できる場所となっています。
しかし、茶室であった名残である飛石など露地(茶庭)は、土が被り分かりにくくなっていました。そこでこの場所が茶室・露地であったことを伝えるため、腰掛待合や竹垣、砂利などを敷き、露地を再現しました。
露地再現プロジェクト
■露地の確認:現況平面図の作成。戦前の写真との確認。神戸市及び神戸市教育委員会文化財課との協議。
■露地の計画:計画図の作成。灯籠、蹲の配置計画。
■腰掛待合の製作設置協力:大阪工業技術専門学校大工技能学科。
■灯籠、蹲の設置:既存灯籠(織部)、笠石の加工設置。
■竹垣設置:四つ目垣等の設置。
■砂利敷及び整地:伊勢砂利の敷設。整地。
大阪工業技術専門学校大工技能学科の学生が、卒業課題として設計製作設置をして下さいました。とても素晴らしい待合です。
このあと園内に保存されていた織部灯籠の一部を使い加工設置。砂利敷、四つ目垣を設置して、露地を再現しました。
戦前の茶室・又新(ゆうしん)
「裏千家の有名な茶室「又隠(ゆういん)」と同一の構造を以て造られ、然もかたわらには、銀杏の木が亭々と伸びている点でも同一なので、又新(ゆうしん)と名づけられている。」(引用文献:「相楽園」観覧のしをり)