庭園紹介

露地再現プロジェクト

戦前、相楽園の敷地南西角に存在した茶室・又新(ゆうしん)は、残念ながら戦災で焼失しました。現在は四阿(あずまや)があり、静かに休憩できる場所となっています。
しかし、茶室であった名残である飛石など露地(茶庭)は、土が被り分かりにくくなっていました。そこでこの場所が茶室・露地であったことを伝えるため、腰掛待合や竹垣、砂利などを敷き、露地を再現しました。

露地再現プロジェクト
■露地の確認:現況平面図の作成。戦前の写真との確認。神戸市及び神戸市教育委員会文化財課との協議。
■露地の計画:計画図の作成。灯籠、蹲の配置計画。
■腰掛待合の製作設置協力:大阪工業技術専門学校大工技能学科。
■灯籠、蹲の設置:既存灯籠(織部)、笠石の加工設置。
■竹垣設置:四つ目垣等の設置。
■砂利敷及び整地:伊勢砂利の敷設。整地。

大阪工業技術専門学校大工技能学科の学生が、卒業課題として設計製作設置をして下さいました。とても素晴らしい待合です。

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このあと園内に保存されていた織部灯籠の一部を使い加工設置。砂利敷、四つ目垣を設置して、露地を再現しました。

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戦前の茶室・又新(ゆうしん)

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「裏千家の有名な茶室「又隠(ゆういん)」と同一の構造を以て造られ、然もかたわらには、銀杏の木が亭々と伸びている点でも同一なので、又新(ゆうしん)と名づけられている。」(引用文献:「相楽園」観覧のしをり)

正門

元町から北へあがり、県庁を通り抜け大きな通りを越えて30mほど進むと、立派な門構えが見えてきます。
相楽園の元主、小寺氏のみに使われていたであろう正門です。
厩舎の中にある馬車で、出入りしていたでしょう。

現在は休園日を除き、ほぼ毎日午前9時が来るとあけられ16時30分には閉まります。
総ケヤキづくりである門の開け閉めは重く、風の強い日にはあおられ結構大変です。

この門を見ていつも思うことがあります。
なぜ、東南の角から北西の向きに斜めになっているのだろうか。

私の勝手な想像ですが、正門はきっと中に植わっている大クスノキを狙っているのではないか。
門を開けると、ちょうどそこに大クスノキが見えます。
そしてその手前には、今では頭しか見えなくなってしまっている層塔型の灯籠が見えます。

皆さんも今度来られたらぜひ、正門の前で立ち止まり、中を眺めてみてください。
大クスノキが「ようこそ」と迎えてくれることでしょう。

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正門の前の受付料金所は、元門番舎。

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他に東門、北門(昔はなかった)、西門がありますが、相楽園に入るには正門のみです。

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燈籠(とうろう)のお話

燈籠はもともと「灯を保護する設備のある燈火具」を意味していました。
そして石燈籠は、神仏における献灯の設備として扱われており、神社やお寺の正面に左右2基で一対の燈籠が配置されるようになりました。
その後16世紀頃に初めて千利休(茶人)が、「夜明けの石燈籠の残り火に風情を感じて茶庭の中に石燈籠を据えた」と言われています。
この頃から石燈籠を庭園に用いることを目的として、古い燈籠(社寺にあったもの)や名物の燈籠が集められるようになりました。このようにして庭園に石燈籠を用いることが多くなったようです。
江戸時代になると、新しい形の燈籠を創作するようになり、様々な形の燈籠を見ることができます。この時期の燈籠は最初の風情を添えるものとしてではなく、照明用という目的から景観上の大事な意匠(デザイン)として用いられるようになってきました。
ある時は、庭園の風情として、そして暗い夜には照明用として、近くに置くとき時は観賞用として、遠くに置く時は庭の添景としての機能を持つものとなりました。

相楽園には次の形の燈籠があります。

■六角型(基本型)
・鎌倉時代につくられ始めたといわれる
・春日燈籠とも言われる
・基礎、竿。中台、火袋、笠、宝珠のすべてを備えた基本型

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■四角型
・六角型や八角型に加えて、鎌倉時代末期につくられ始めた
・神社用に創作されたと考えられる
・相楽園の四角型燈籠は、火袋に三つの円窓があるものや東大寺と書かれたものがある

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■雪見燈籠
・基礎と竿の代わりに脚をつけたものを脚付型燈籠とよぶ
・さらにその中でも、大きい笠を持ち火袋の側面をすべて火口にし、全体的に幅の割合に比べて背が低い燈籠を雪見型という
・相楽園には、流れ沿いに据えられた六角型や池の淵にもある

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■円形燈籠
・雪見燈籠と同じく脚付型燈籠
・笠の部分が円形

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■織部燈籠
・基礎の部分がなく、竿に相当する部分を地中に生け込む方式(生込型)
・「織部」とは、茶人の古田織部からとったと言われている
・下部が角柱状で上部が円板状の形の竿に、四角型の生込燈籠を織部という

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■層塔型燈籠
・火袋や笠の部分を積み重ねて三重や五重の石塔に見えるようにしたもの
・遠望の様子を表すために用いられた石造層塔を手本としている

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■山燈籠
・自然のままの石をつかって組上げた燈籠
・ただし、火袋には加工品を使うこともある

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